無意志的記憶

むいしてききおく

意味
思い出そうとする意志と関わりなく、きっかけに触れた瞬間に過去がまるごと戻ってくる記憶のあり方。マルセル・プルーストが『失われた時を求めて』で扱った主題で、匂いはその引き金になりやすい。
使い方
手稿では、あの場面の食べ物は焼きパン、ビスコット、マドレーヌと三度書き換えられている。作家が探していたのは特定の菓子ではなく、この出来事の型のほうだった。
豆知識
匂いで呼び出された記憶は、言葉や写真で呼び出したものより古く、それまでに思い返した回数が少ないと報告されている。繰り返し語り直された思い出ほど、この形では戻ってこない。
関連分野
心理学では自伝的記憶の一種として扱われ、匂いを手がかりにした場合に十歳より前の出来事が呼び出されやすいことが測られている。

関連用語