戻り香
もどりが
- 意味
- 口に含んだものの香りが、口の奥から鼻へ抜ける空気に乗って嗅覚に届くこと。レトロネーザル嗅覚ともいう。舌が見分けられるのは甘味・塩味・酸味・苦味・うま味といった数種類の基本味だけで、「味」と呼んでいる体験の大半はこちらが担っている。
- 使い方
- プルーストの語り手が紅茶に浸したマドレーヌから受け取ったと書かれているのは「味」だが、生理学の言葉に置き直せば、それはほとんど嗅覚の出来事だった。
- 豆知識
- 乾いた菓子だけでは香りは鼻に届きにくく、熱い液体に浸して口に含むと分子が一度に立ちのぼる。三つの草稿で食べ物は三度書き換えられたのに、紅茶だけは一度も変わらなかった。
- 関連分野
- 風味は味覚と嗅覚と触覚が合わさった体験として扱われる。鼻をつまむと食べ物の味が分からなくなるのは、この経路が塞がれるためである。